
米国での先行発売を経て、本格麦焼酎「iichiko彩天」がついに日本に『凱旋』。2025年6月17日、日本発売当日に開催した発表イベントでは、メディア関係者やバー業界のプロフェッショナルをお招きし、「iichiko彩天」の世界観を体感できるカクテルやプレゼンテーションが披露されました。発売に先駆け、福岡と大阪でも同様のイベントを開催。世界で活躍するトップバーテンダーが各地で「iichiko彩天」を使ったオリジナルカクテルを披露し、焼酎の新たな魅力が、グラスの中で華やかに花開きました。
文・構成:Contentsbrain / 写真:三井公一
麹文化の蒸留酒を世界へ。焼酎の新たな挑戦、「iichiko彩天」のお披露目
2025年6月17日、ザ・リッツ・カールトン東京「THE BAR」(東京・港区)で開催された「iichiko彩天」の日本ローンチパーティー。オープニングは、三和酒類株式会社(以下、三和酒類)代表取締役社長 西和紀(にし かずのり)によるスピーチでした。1979年に誕生し「下町のナポレオン」として親しまれてきた本格麦焼酎「いいちこ」は、日本では広く知られる存在となった一方で、世界における本格焼酎の認知はいまだ限定的です。こうした現状を変えるべく、三和酒類は創業家から受け継いでいる「(いいちこを)世界の酒に」という言葉を掲げ続けてきました。「iichiko彩天」は、その想いの結晶とも言えます。
2019年に米国で先行発売された「iichiko彩天」は、三和酒類が現地のトップバーテンダーとともに開発した、ウイスキー、ジン、ラム、テキーラ、ウオッカと並ぶ「世界の蒸留酒」を目指す本格焼酎。この日のイベントには、開発に携わったJacques Bezuidenhout(ジャクウォス・ベズイデンハウト)さんやKevin Diedrich(ケビン・ディードリッヒ)さんも来場し、日本国内のデビューに立ち会いました。
バー文化への挑戦。
焼酎×カクテルが切り開く未来
プレゼンテーションでは、グローバルマーケティング室の宮﨑哲郎(みやざき てつろう)が自身の米国駐在経験をもとに、「iichiko彩天」誕生の背景を語りました。日本では焼酎は食中酒として親しまれ、居酒屋などの食事の場で飲用されています。一方で、蒸留酒がバー文化に根づく米国においては、カクテルという表現を通じて焼酎を浸透させていくことが必要でした。
焼酎を水や炭酸水などで割って飲む「割り算のチューハイ文化」の日本。これに対して、飲料と飲料を混ぜてさらに美味しいものをつくろうという「掛け算のカクテル文化」の米国という、飲用価値の捉え方の違いにも着目しました。
「iichiko彩天」は、日本の食文化に欠かせない麹を用いてつくり上げた日本独自のスピリッツ。大麦麹100%の全麹づくり、力強く濃厚な味わいの常圧蒸留による原酒を主体として、43%の高アルコール度数に仕上げました。カクテルでも大麦麹由来のうま味と力強い香味、長い余韻を楽しんでいただけます。このことがIWSCやSFWSCといった世界的なスピリッツコンペティションでも高く評価され、数々の受賞を重ねています。⇒「iichiko彩天」
五感で味わう「iichiko彩天」の魅力
会場では、日本国内の定番商品である「いいちこ25度」と「iichiko彩天」の飲み比べや、「iichiko彩天」を使ったクラシックカクテルのツイスト(カクテルベースを変更)をご提供。参加者にその酒質の違いを体験していただき、「iichiko彩天」のふくよかで余韻の長い味わいが、カクテルとしても際立つことを実感していただく機会となりました。
また、異色のペアリングも登場しました。岩手県花巻市で製粉事業と和菓子を手掛ける「芽吹き屋(めぶきや)」が、今回のイベントのために開発した、「iichiko彩天」を使った和菓子です。

芽吹き屋の「iichiko彩天」を使用した和菓子「梅と彩天の余韻をとじこめた水まんじゅう」
1つは「iichiko彩天」が国産梅のジュレに練り込んだ「梅と彩天の余韻をとじこめた水まんじゅう」。もう1つは、白あんとクリームチーズに「iichiko彩天」を練り込んだ「クリームチーズの入ったカクテル仕立て水まんじゅう」。お土産には「iichiko彩天」の寒天を加えた「まるでカクテルのような冷やししるこ」が振る舞われ、和の蒸留酒と和菓子の融合による新たな味覚体験が「iichiko彩天」の多彩な表現力をあらためて印象づけました。
イベント後半には、世界の第一線で活躍する2人のバーテンダーが登場し、スペシャルカクテルを披露。本格焼酎の新たな表現が、グラスの中で静かに、そして鮮やかに花開きました。
世界のトップバーテンダーが魅せる、「iichiko彩天」の可能性

「iichiko彩天」を使ったKevinさんのカクテル「ペアープレッシャー」(左)と「将軍」(右)

「iichiko彩天」を使ったLeoさんのカクテル「大分サンライズ」(左)と「蕎麦ココナッツネグローニ」(右)
「iichiko彩天」の開発にも携わったサンフランシスコ「Pacific Cocktail Haven(P.C.H.)」のオーナーバーテンダー、Kevin Diedrichさん。全米No.1バーテンダーにも選ばれた実力者で、アジアの食材やフレーバーを巧みに取り入れるスタイルに定評があります。うまみフレーバーが豊富でフレッシュフルーツや塩味のある素材とも相性が良いと評する「iichiko彩天」と、パンダンリーフや濃縮カルピスを合わせたエキゾチックで爽やかな甘さの「ペアープレッシャー」。それに白ゴマやキュウリと組み合わせたクリーミーな「将軍」の2種類を披露。

会場を盛り上げた「ペアープレッシャー」をつくるKevinさんのシェイクシーン
ロンドンからは、ラグジュアリーホテルグループNoMad Hotelsを運営するSydell Group副社長であり、2016年からNoMad全施設のフード、カクテルプログラムを統括してきたLeo Robitschek(レオ・ロビチェック)さんが登場。ポルノスターマティーニをハイボール風にアレンジした「大分サンライズ」と、蕎麦茶を使い大葉とココナッツの風味で仕上げた「蕎麦ココナッツネグローニ」という、「iichiko彩天」を使ったクラシックカクテルのアレンジを2種類披露しました。

「iichiko彩天」とパッションフルーツやトマトウオーターを掛け合わせた爽やかな「大分サンライズ」をつくるLeoさん
Leoさんは、近年カクテルの世界でもセイボリーやうま味といった複雑な風味が求められていると語り、「iichiko彩天」を「ウオッカやジンの代替にもなり得る汎用性と、日本ならではの深みを兼ね備えた『西洋における焼酎の入口』」と高く評価しました。
両氏が手がけたカクテルは、まさに本格焼酎の「再解釈」。本格焼酎の持つ麹由来のうま味や個性が、カクテルという舞台で鮮やかに引き出されました。その1杯から、「iichiko彩天」が欧米のバー文化に根づき、日本でも新たな飲用シーンを切り拓いていく、本格焼酎の未来を広げる可能性を感じさせました。
バー情報(東京会場)
- Pacific Cocktail Haven(P.C.H.)(Kevin Diedrichさん): 550 Sutter Street, San Francisco, CA 94102, USA
- NoMad London(Leo Robitschekさん): 28 Bow St, London WC2E 7AW, UK
- ザ・リッツ・カールトン東京 「THE BAR」:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン45階
多様な感性が交差する、福岡と大阪の会場
福岡会場
ザ・リッツ・カールトン福岡「Bay」で開催されたイベントに登場したのは、異なるバックグラウンドを持つ2人の実力派バーテンダー。ハワイを拠点とする「Bar Leather Apron」「Bar Maze」のオーナーバーテンダー Justin Parkさん、そしてロサンゼルスで活躍する「Thunderbolt」ヘッドバーテンダーのTom G Liuさんです。
「iichiko彩天」の「ピュアな原料感」に着目し、「クラフトカクテルの世界で今求められている『新しい何か』を提供し、バーテンダーにとっても表現の幅を広げてくれる存在」と語るTomさん。「iichiko彩天」とゴーヤを掛け合わせた「フー・グワ・ファルセット」、そして2種類の梨に蕎麦茶を合わせた「グロー・ア・ペア」を披露しました。
「グロー・ア・ペア」を注ぐTomさん
一方、Justinさんは、メスカルやストロベリー、トマトと組み合わせた爽やかな「エル・ウマミ」と、柚子胡椒(ゆずこしょう)のアクセントが利いた「ザ・ブーメラン」を提供。「iichiko彩天」の持つ深みと透明感が、多彩な素材と調和し、自由な発想でのミックススタイルにも応えてくれると紹介しました。柚子やレモンといった柑橘類や、胡椒などのスパイスとの相性の良さにも言及し、「今まさに、本格焼酎が次のステージへと進む転換期にある」と語りました。
「エル・ウマミ」をつくるJustinさん
大阪会場
並んで腕を振るった中山淳史さん(左)とErik Lorinczさん(右)
セント レジス ホテル 大阪の「The St. Regis Bar」でのイベントに登場したのは、ニューヨーク「Angel’s Share」のバーテンダー中山淳史(なかやま あつし)さん。「iichiko彩天」の彩りというキーワードから、四季を表現する2種類のカクテルを披露しました。
「霧の日」はアクセントに桜を使った淡い色の美しい爽やかなハイボールスタイル。夏を表現した「マイ タイ」は、パッションフルーツやコーヒーの酸味とアーモンドの香ばしさが織りなす新感覚のトロピカルカクテルでした。
さらに、ロンドンの名店「Kwãnt Mayfair」のErik Lorincz(エリック・ロリンツ)さんも2種類のカクテルを披露。1つは、家庭菜園のトマトからイメージを膨らませて、トマトの皮までも余すことなく使用した「マイ ガーデン イズ ユア ガーデン」。もう1つは、ギリシャ語で根を意味する「リザ」という名前のビートを使用した色鮮やかなカクテルでした。Erikさんは、「ストレートでもしっかりと風味が立つ『iichiko彩天』は、もはやサブではなく主役になれるスピリッツ。甘いものとも甘くないものとも、何とでも相性が良く、いろんな素材との組み合わせを安心して試せる」と、「iichiko彩天」を主役にしたカクテルの可能性を語りました。
バー情報(福岡会場、大阪会場)
- Bar Leather Apron(Justin Parkさん):745 Fort Street Mall Suite #127, Honolulu, HI 96813, USA
- Bar Maze(Justin Parkさん):604 Ala Moana Blvd, Honolulu, HI 96813,USA
- Thunderbolt(Tom G Liuさん):1263 W Temple St, Los Angeles, CA 90026,USA
- Angel’s Share(中山淳史さん):45 Grove St, New York, NY 10014, USA
- Kwãnt Mayfair(Erik Lorinczさん):52 Stratton St, London W1J 8LN, UK
- ザ・リッツ・カールトン福岡 「Bay」:福岡県福岡市中央区大名2-6-50福岡大名ガーデンシティ24階
- セント レジス ホテル 大阪 「The St. Regis Bar」:大阪府大阪市中央区本町3-6-12 セント レジス ホテル 大阪 12 階
「iichiko彩天」の日本発売を機に、本格焼酎は今、新たなステージへと歩みを進めています。伝統に根ざしながらも、世界のバー文化と共鳴し、新たな可能性をグラスの中に映し出す──。その1杯には、日本の蒸留酒が「世界の蒸留酒」へと進化するためのヒントが詰まっていました。本格焼酎が持つ麹由来の豊かなうま味フレーバーと個性、そして無限の表現力を、「iichiko彩天」とともに世界へ。「iichiko彩天」が本格焼酎の未来を変えていきます。