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初代日本チャンピオンは髙橋裕也さん カクテル名は 「Oedo Fashioned(オーエド ファッションド)」

作成者: WA-SPIRITS|2025/12/15 8:11:01

本格麦焼酎「iichiko彩天」をベースに使った創作カクテルの腕を競う「iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション」の日本大会。その決勝が東京・新宿の「SPACE EAST & WEST(HOTEL GROOVE SHINJUKU)」で開催されました。日本全国275人のエントリーの中から勝ち抜いたファイナリスト“TOP7”。腕を見せる時間は1人6分。審査員は世界のバーシーンで活躍されている4人のトップバーテンダー。緊張感あふれる会場の様子、その結果をレポートします。

 
文・構成:Contentsbrain / 写真:三井公一
 
 

「iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション」JAPAN FINAL

開催日:2025年11月8日(土)
会場:「SPACE EAST & WEST(HOTEL GROOVE SHINJUKU)」(東京・新宿)
主催:三和酒類株式会社
カクテルテーマ:「和×彩(いろどり)」

<ファイナリスト> 登壇順、敬称略

競技順 氏名 所属店名
(所在県)
カクテル名 順位
1 木村 豪朗 Dining bar JIMHALL
(石川県)
NURTURE 2位
2 光田 恭祐 LES CLOS
(熊本県)
黄金の陽 3位
3 金城 流弥 One by one coffee
(東京都)
和ラテ
HAKKO LATTE
 
4 釜田 椋安 パークハイアット京都
(京都府)
香天  
5 チョウ
サンウン(グレイ)
フォシーズンズホテル
東京大手町 VIRTÙ
(東京都)
You Stir,
I Begin
 
6 竹下 紗希 cocktailbar BLUEMOON
(北海道)
 旨麹甘  
7 髙橋 裕也 ザ・カハラ・ホテル&
リゾート横浜
(神奈川県)
Oedo Fashioned 優勝

<審査基準>

味わい/バランス 25ポイント

独創性/創造性 20ポイント

テーマの理解度(“和×彩”) 20ポイント

スキル/パフォーマンスと審査員とのコミュニケーション 15ポイント

商品の理解度 10ポイント

カクテルが環境に配慮されているか 5ポイント

再現性 5ポイント

合計 100ポイント
※時間超過した場合は、-10ポイント

本格焼酎が和酒と洋酒の垣根を越えるスタートの日

「iichiko彩天」を使った創作カクテルの腕を競う「iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション」は、これまでに米国や香港、シンガポールで開催されてきました。

そして、2025年11月8日、初の日本大会決勝戦の日、会場には日本全国275人のエントリーの中から勝ち上がったファイナリスト7人が集まりました。

開会挨拶では三和酒類株式会社 代表取締役社長 西和紀(にし かずのり)が次のように述べました。

「私は今日が、本格焼酎が和酒と洋酒の垣根を越えるスタートの日だと思っています。本格焼酎は世界のスピリッツと比べても、決してひけをとらない、日本の麹文化が誇る美しい蒸留酒だと思っております。その本格焼酎が、日本が誇るジャパニーズバーテンディングによって、世界に広がっていく。今日この日をスタートに、本格焼酎にはそういう未来が待っていると思います」

13時45分、MCのコールでパフォーマンスタイムがスタート。当日くじ引きで決めた順番で登壇し、カクテルのコンセプトやレシピなどを説明しながら創作カクテルを仕上げていきます。パフォーマンスに与えられた時間は 6分。凝縮された時間内にこれまでに磨いてきた腕前、トーク力も含めたプレゼンテーション力を披露します。

審査員は世界のバーシーンで活躍されている4人のトップバーテンダー。ニューヨークから後藤健太(ごとう けんた)さん(「BAR GOTO」オーナーバーテンダー)が駆けつけ、国内外で活躍する後閑信吾(ごかん しんご)さん(SG Groupファウンダー)、大竹学(おおたけ まなぶ)さん(パレスホテル東京「ロイヤルバー」マネジャー兼チーフバーテンダー)、鹿山博康(かやま ひろやす)さん(「Bar BenFiddich」オーナーバーテンダー)がパフォーマーのステージ前のテーブル席に座り、採点表に記入しながら、ファイナリストの一挙手一投足を見つめます。

緊張感の中で、培ってきた技術と
考え抜いたカクテルを披露

ファイナリストの個性的なプレゼンテーション、審査員からの質疑応答などが続きます。プレゼンターたちの真剣な表情、時に笑みも浮かびますが、背景スクリーンに映し出された手元の動きからは緊張感が伝わってきます。来場者も固唾を飲んで見守りました。

登壇順にファイナリスト7人とそのカクテルをご紹介しましょう。

7人のパフォーマンスが終わるまで1時間45分。あっという間であると同時に濃密な時間でもありました。セッション終了後、審査員は審査の採点表を持ち寄り別室に移動して集計と審議。その間、観客の皆さんは隣に用意された「カクテルテイスティング セッション」の会場に移動し、7人のファイナリストがふるまうカクテルに舌鼓を打ちました。

来場者にファイナリストが各々のカクテルを提供

会場の来場者からは、「どのカクテルも本当に美味しい」「私はこのカクテルが好きだな」「1杯のカクテルにこんな手間をかけているとは驚きです」などの感想の声が聞かれました。ファイナリストたちも、パフォーマンスタイムの緊張感から解き放たれて、いつもの柔らかな表情を取り戻したようでした。その後、審査員の方々も来場者との交流に加わり、しばし和やかな時間を過ごしました。

16時過ぎ、MCの呼びかけに促されて、来場者は再びパフォーマンスセッションの会場に移動します。

いよいよ審査結果の発表、ファイナリスト7人が会場のスクリーン前に並びます。

審査発表に先立ち、「いいちこアンバサダー」の1人、通称“TUMUGI姫”こと、砂川祐美(すながわ ゆみ)さんが特別賞「スピリット・オブ・彩天賞」を発表されました。バー&カクテルマニアの砂川さんは三和酒類の商品を長年愛飲され、とりわけ「WAPIRITS TUMUGI」がお好きな方です。同社のイベントに欠かさず来場、情報発信してくださる砂川さんに、プロの審査員とは別に一般消費者の視点から選考していただきました。

砂川さんが選んだのは、「ザ・カハラ・リゾート&ホテル 横浜」の髙橋裕也さんでした。髙橋さんには、賞状と副賞としていいちこ40周年記念ボトル「iichiko 40」といいちこ特製バーエプロンが手渡されました。

そして選考結果の発表です。

第3位は「LES CLOS(レクロ)」(熊本市)の光田恭祐さん。第2位は「Dining bar JIMHALL」(石川県金沢市)の木村豪朗さん。そして第1位の名前が読み上げられます。

「『iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション』JAPAN FINAL、初代日本チャンピオンは、ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜の髙橋裕也さんです。おめでとうございます」

パフォーマンスタイムのしんがりとして、「Oedo Fashioned(オーエド ファッションド)」で挑んだ髙橋さんが、三和酒類の西社長から賞状と優勝トロフィーを受け取りました。トロフィーは人気の高いバーテンダーツールブランド「BIRDY.」の特製シェイカーを、「いいちこ」の樽貯蔵で使った木樽を再利用した木組みで枠どったものです。副賞として、iichiko蒸留所ツアー(大分県)に加えて、Tales of the Cocktail®(米国・ニューオーリンズ)&New York視察ツアーに招待されます。

髙橋さんは次のように喜びの挨拶をされました。
「裏(控室)では皆でたたえ合いながら、すごくいい空気感でできたコンペティションだったと思います。『iichiko彩天』がきっかけとなり輪をつないだ、人と人との輪をつないだ、そういった機会だったんじゃないかと思います。今日はこういう栄えある賞をいただけて、すごくうれしいですし、また日本人の一人として、焼酎という国のお酒を盛り上げていく一人として、自分もその一人として盛り上げていけるようにこれからも精進していきたいと思います」

また、4人の審査員からは大会全体を通して次のような講評をいただきました。抜粋でご紹介します。

麹の味をちゃんと表現したカクテルが多かったと思う

「海外で仕事をしていると、ほぼ毎日のように、『焼酎とは何か』を説明することが多いのですけれど、焼酎が他のスピリッツと比べて違うところは、麹を使っているところだと思います。麹の味がもろに凝縮されてつくられたのが『iichiko彩天』で、(今回の大会は)そういった味をちゃんと表現したカクテルが多かったと思いますが、(髙橋さんのカクテルは)一番美味しかった。本当におめでとうございます」(後藤健太さん)

日本語でも英語でも覚えやすいネーミングはすごく大事

「(髙橋さんのカクテルは)ネーミングが最高でしたね。ネーミングというのはコンペにおいてすごく大事です。味とストーリーがメイクセンスしている(理にかなっている)ことと、日本語でも英語でも覚えやすいということがすごく大事なので。もちろん味も、コンセプトもプレゼンもネーミングも素晴らしかったです。これで1回目を終えたので、是非次回はこのまま世界大会もやっていただけたら焼酎文化がさらに盛り上がるかなと思います」(後閑信吾さん)

焼酎のカクテルの文化が広がっていくことを願っています

「2次審査通過の45名から(ファイナルの候補者として)私が選んだのが10名。この中からファイナルの7名が全員入ってくれて、そのカクテルを飲むことができてとても幸せです。どのカクテルも『iichiko彩天』の味が効いていて美味しかったんですけれど、(髙橋さんのカクテルは)一番麹の味がして、なおかつクリアで綺麗な味がして印象的でした。これを機に第2回、第3回と続けていただき、焼酎のカクテルの文化がさらに広がっていくことを願っています」(大竹学さん)

どれも「iichiko彩天」の味が感じられてバランスも良かった

席の隣の大竹さんと、本当(どのカクテルも)みんな美味しいねってずっと話していました。どれも『iichiko彩天』の味が感じられ、バランスも本当に良かったです。後閑さんも言っていたように、この日本大会が世界大会につながる大会になれば素晴らしいことだし、大会冒頭に西社長が言っていたように(本格焼酎が)世界五大スピリッツに並ぶカテゴリーとして認知されたら、すごくいいなあと思うので、僕もこれから(本格焼酎の)普及に協力していきたいと思います」(鹿山博康さん)

講評の中で、「今回は1回目とは思えない素晴らしいオーガナイズで、いい大会だったと思います。いろんなタイプの方がいらっしゃって、大会的にもすごく面白かった」と語った後閑さん。今大会と海外の様々なコンペティションと比べていただき、その共通点と、異なる点を伺いました。

「本番の緊張感というのはどの大会でも共通することだと思います。この大会ならではだなと感じたのは、ファイナリスト全員の所作の美しさ。これは日本の大会ならではだと思いますよ」(後閑さん)

シンガポール、香港でも「iichiko彩天」で腕を競い合う

「iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション」は、今回のこの日本決勝大会と併行して、シンガポール大会(11月3日、会場:CAT BITE CLUB)と香港大会(11月10日、会場:AVOCA)が開催されました。シンガポール大会の優勝者は、「Bar Bon Funk」のSarang(サラン)さん(カクテル名:Rice Rice Baby)。香港大会の優勝者は「FLAIR UP」のWASHAM(ワシャム)さん(カクテル名:Purple Sky)。両大会の優勝者とカクテルを写真でご紹介します。

シンガポール大会

香港大会

アジアで、米国で、そして日本で始動した「iichiko彩天」を軸にした世界市場への展開。本格焼酎が世界のスピリッツ市場で独自のカテゴリーを確立し、カクテルの新たな可能性を広げていきたいという三和酒類の想い。「iichiko彩天」から世界への挑戦のスタートが切られました。

日本大会上位3位までのカクテルに関するレシピを「iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション」サイトでご紹介しています。